QGIS3のプラグインをVisualStudioでデバッグするための設定

このページでは、QGISプラグインをVisualStudioを使ってデバッグができるように設定していきます。デバッグに使ったプラグインは「QGIS3 Plugin Builderでプラグイン作成」で作成したものを使用しています。

QGISをインストールした環境でPythonプログラミングするための環境設定が未だ済んでいない場合は「QGIS3 Pythonプログラミングのための設定」のページで紹介している設定を行ってください。


Python開発環境をインストールする

インストーラーを起動する

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Visual Studio Installerが起動したら、『Python 開発』を選択します。今回はQGISのインストール時に付属しているPythonを使いたいので、オプションの赤丸部分の選択は全て解除します。解除したら、『変更』ボタンを押下します。

 

ダイアログが出てきたら

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途中、上のようなダイアログが出てくる場合があります。この場合、VisualStudioを閉じてから、ダイアログの『続行』ボタンを押下してください。

 

Pythonを選択する

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VisualStudioを起動してみて、『言語』→『Python』を選択すると、項目が増えています。これでVisualStudioにPython開発環境がインストールされました。


プラグインをVisualStudioに読み込ませる

プラグインのソリューションファイルを作成する

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QGIS3 Plugin Builderでプラグイン作成」で作成したプラグインのソリューションファイルを作成します。VisualStudioを起動して、メニューの『新しいプロジェクトの作成』を選択し、『言語』→『Python』を選択します。表示された項目の中から、『既存のPythonコードから』を選択します。

プラグインを選択する

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場所には「QGIS3 Plugin Builderでプラグイン作成」で作成したプラグインの保存先を指定します。
 

 

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『完了』ボタンを押下します。


QGISPython環境を取り込む

Python環境を追加する

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読み込みに成功すると、ソリューションエクスプローラーにプラグインのファイルが全部表示されます。次にQGISに付属のPython環境をVisualStudioで使うための設定をします。Python環境を右クリックして『環境を追加』を選択します。

 

QGISに付属のPythonのパスを設定する

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『既存の環境』を選択します。

 

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プレフィックスPython.exeが置かれているパスを指定します。QGIS3.6.1では「C:\Program Files\QGIS 3.6\apps\Python37」に置かれています。プレフィックスの設定に成功すると、他の項目が自動で設定されます。


QGISのモジュール設定

モジュールが見つからない

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test_plugin.pyのコードを開くと、qgiscoreライブラリが見つけられていないので、設定します。

 

検索パスを追加

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ソリューションエクスプローラーの『検索パス』を右クリックして、『フォルダーを検索パスに追加』を選択します。選択ダイアログが表示されたら、QGIS3.6の場合は「C:\Program Files\QGIS 3.6\apps\qgis\python」を選択します。成功すると、ソースコードqgis.coreの下のニョロニョロが消えます。


デバッグ

プロセスにアタッチ

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QGISを起動した状態で、VisualStudioの『デバッグ』→『プロセスにアタッチ』を選択します。

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qgis-bin.exeを選択してアタッチボタンを押下します。

 

ブレークポイントを設置する

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適当なところにブレークポイントを置きます。

 

ブレークポイントで止めてみる

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QGISに戻ってプラグインを実行してみます。すると...

 

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ブレークポイントのところで止まりました。


Visual Studio Codeデバッグする場合

Pythonのパス設定

まずはQGISと一緒にインストールされているPython環境変数PATHに追加します。方法はこちらを参考にしてください。

chiakikun.hatenadiary.com

VSCodeプラグインのフォルダを開く

次にデバッグしたいプラグインがインストールされているフォルダを調べて...

 

VSCodeでそのフォルダを開きます。左のウィンドウから拡張子が.pyのファイルを選択すると、Python拡張機能のインストールをお勧めされます。

VSCodePython拡張をインストールする

お勧めされた拡張機能をインストールします。

 

インストール後、PythonVSCodeに認識されていれば、右下にこのように表示がされます。

デバッグを実行する

QGISを起動した状態で、VSCodeでF5キーを押してデバッグしてみます。すると上のようなウィンドウが表示されるので「プロセスIDを使用して接続する」を選択します。

 

QGISのプロセスを選択します。検索窓で「q」と入力すると、QGISが一番上に表示されると思います。

 

こんな感じになっていればOKです。適当な場所にブレークポイントを置いて...

 

QGISに戻ってプラグインを実行します。

 

正常に設定されていれば、このようにブレークポイントプラグインが止まります。

launch.jsonを作成する

左のウィンドウに「launch.jsonファイルを作成します」と表示されているので、クリックすると...

 

デバッグ構成を選択するウィンドウが表示されるので、「プロセスIDを使用して接続する」を選択します。

 

すると上のようなlaunch.jsonが作成されます。


 

お疲れ様でした。